私たちは常に、自然環境の中で命を繋ぎ、活動しています。
地域ごとに様々な自然環境があり、そこに暮らす人々は昔からその場所で、知恵を重ね、工夫を凝らして生きてきました。
しかし近年、産業化した社会の中で、その本質的な意味が分かりづらくなっています。
私はここでもう一度、“自然環境との繋がり”や“人々との繋がり”の本来の意味に立ち返り、
永続的で安心できる暮らしを考えるべきだと思います。
そんな暮らしに少しでも近づいていけるような、建築や住環境を提案していきたいと考えています。
家を建てる敷地の気象条件やその場が持つ特性を読み取り、自然からの恵みを存分に受け取れるような計画をします。
また、構造やインテリアに使われる材料は化学物質の含有を極力抑え、可能な限り自然素材を使用することで、“住まう人”にとって健康的で安心・安全な空間を目指します。
そして、“住まう人”の生活スタイルや想いを重ね合わせた設計を目指します。
地産地消をベースに考えます。なるべくその地域にある再生可能な木材や土を使うことで、運搬にかかるエネルギーを抑え、地域内の小さな循環が生まれます。
また、建物の断熱強化や蓄熱を工夫することで省エネルギー化を図り、限られたエネルギーの有効利用を考慮します。
そして、現在の枯渇エネルギーから、持続可能な自然エネルギーへのシフトを推奨します。
持続可能な環境を作り出そうとするパーマカルチャーの考え方では、食糧やエネルギー・情報などは、独占せずに積極的に他者と分け合うこととしています。
プライバシーを守りながらも、隣人や環境に対して開いた空間にすることで繋がりが生まれ、気持ちも物もシェア出きる豊かな住環境を目指します。